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<医療コラム> ネイルサロンへお出かけの際には

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** ネイルサロンに出かけの際には *****

白 井 由 紀 子 看護師

 

ベトナムにはたくさんのネイルサロンがあり、美容室でもネイルの手入れをしてくれます。また、新しいネイルサロンがフリーペーパーでも紹介されています。

みなさんもネイルサロンを利用されていますか?

以前、米国消化器学会から「ネイルサロンや理髪店を利用する際、器具類が適切に清浄されていないと肝炎(B型、C型)に感染するリスクがある」と発表されました。

そして、「利用客は器具類を適切に清浄、殺菌しているかどうかを店員に尋ね、自分専用のものを持参することで自分の身を守ることが出来る」とも記されていました。

 

先日、ベトナム人の友達とローカルのネイルショップに行った時、彼女は自分専用のネイル処理セットを持っていました。自分用のセットを持っていない私はそこでセットを購入し、やってもらいました。

これ以後、自分のセットを持ち歩くようにしています。私も今まで、ネイルの処理の最中に出血したり、甘皮を切られすぎて腫れたり、化膿したり、何度かトラブルの経験があります。

職業柄、B型肝炎の予防接種は行い(C型肝炎の予防接種はありません)、抗体の確認はしていますが、今後も気をつけようと思います。

みなさんも、これからは信用できるお店へ、出来るだけ自分専用の処理セットを持参しましょう。

 

 

在ホーチミン日本国総領事館 サル痘の発生状況

在ホーチミン日本国総領事館よりサル痘の発生状況(サル痘を風土病としない複数国での発生)が出ております。

 

詳しくは、在ホーチミン日本国総領事館ホームページをご覧下さい。

サル痘の発生状況(サル痘を風土病としない複数国での発生)(その2)

 

 

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●世界保健機構(WHO)は、5月24日、サル痘ウイルスを風土病としない17か国からサル痘ウイルスへの感染症例が確認された旨説明しました。WHOでは更なる調査を進めております。
また、スロベニア、チェコ、アラブ首長国連邦の保健当局より、感染症例が確認された旨発表されています。
●現在有効な予防法としては、症状のある者やサル痘を有する可能性のあるげっ歯類等のほ乳類との接触を避け、石けんやアルコールベースの消毒剤を使用した手指衛生を行うことが推奨されています。
●現在、WHO及び各国保健当局によってサル痘ウイルスが確認されている20か国(パキスタン、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イスラエル、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、カナダ、米国、豪州、スロベニア、チェコ、アラブ首長国連邦)に渡航される方は、特に感染予防にご留意ください。なお、それ以外の国・地域に渡航される方についても、今後渡航先において感染が確認される可能性があるところ、感染予防にご留意願います。

1 サル痘の発生状況
世界保健機構(WHO)は、5月24日、サル痘ウイルスを風土病としない17か国からサル痘ウイルスへの感染症例が確認された旨説明しました。WHOでは更なる調査を進めております。
また、スロベニア、チェコ、アラブ首長国連邦の保健当局より、感染症例が確認された旨発表されています。

2 サル痘について
(1)概要
サル痘はリスなどのげっ歯類が自然宿主として考えられ、天然痘同様の症状を伴う急性発疹性疾患です。従来、アフリカに発生する風土病であり、2021年12月から2022年5月までにカメルーン(25例陽性、うち5例死亡)、中央アフリカ(6例陽性、うち5例死亡)、コンゴ(民)民主国共和国(1238例陽性、57例死亡)、ナイジェリア(48例陽性、死亡例0)が報告されています。
(2)症状
潜伏期間は5~21日(通常は6~13日)、致死率は数%~10%と報告されています。初期症状は、発熱、悪寒、背中の痛み、筋肉痛、リンパ節の腫れ等であり、発熱後1~3日で特徴的な発疹が顔や四肢に現れ、口の中や性器、目にも発疹が現れることがあります。臨床的には天然痘と区別が困難です。
(3)予防法
サル痘の流行地では以下のような感染予防対策を心がけ、感染が疑われる場合には、直ちに医師の診察を受けてください。
●症状のある人の飛沫・体液等との接触を避ける。
●サル痘を保有する可能性のあるげっ歯類等のほ乳類(死体を含む。)との接触を避け、野生の狩猟肉(ブッシュミート)を食べたり扱ったりすることを控える。
●石けんと水、またはアルコールベースの消毒剤を使用した手指衛生を行う。
(参考)
○厚生労働省検疫所
https://www.forth.go.jp/news/20220521_00001.html

○国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.html

<医療コラム> 虫下しは必要?ベトナムの寄生虫感染症

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** 虫下しは必要?ベトナムの寄生虫感染症 *****

佐野  夏 帆 医師

 

Covid-19による規制が緩和してきて、新しく赴任される方も増えてきましたね。

私は今年でベトナム5年目になりますが、日本では普段なかなか診療しなかったけれど、こちらでは珍しくない疾患がいくつかあります。寄生虫感染症もその1つです。

駐在の方の口コミで「半年に1度虫下しを飲む」「帰任前に虫下しを飲んで帰国する」みたいな話がありますが、こちらについて外来でよく質問を受けたり、内服希望される方がいます。

寄生虫は種類が多く、症状もそれぞれの寄生虫によって多彩です。昔は日本でも小学校で一斉検査していたぎょう虫、お尻が非常に痒くなります。またこれは日本でも時々遭遇しますがアニサキス、尋常でない胃痛が出るのが有名です。その他、胃腸炎症状や腹部膨満感が出る寄生虫、胃腸だけに限らず皮膚症状を出すもの、色々な臓器に影響が及ぶものや、無症状のものもあります。

 

時々勘違いされている方もいますが、「半年に1度虫下しを飲む」ことで半年間寄生虫にかからないわけではありません。どの薬も作用時間・半減期などがありますので、当たり前ですが1錠で半年も薬の効果は続きません。逆に半年間でもしかしたら身体にいるかもしれない寄生虫を下すイメージかなと思っています。そういう意味と理解され、定期的に飲まれるのも1つかもしれません。

ただ本当に感染していたら、1錠内服するだけでは足りません。また抗寄生虫薬は種類があり、一般的に言われている「虫下し」が全寄生虫に効果があるわけではありません。寄生虫の種類によって治療薬や治療期間などが変わりますし、例えば先程のアニサキスの治療は内視鏡治療であるように、治療法も種類によって違いますので、しっかりと受診が必要です。

さて、そんな私もベトナム生活の中で寄生虫による胃腸炎にかかったことがあります。旅行中に食べたシーフードなのか胃腸炎が治らなかった時です。症状経過からこれはそうに違いないと寄生虫の薬を内服したところ、本当にすーっと良くなっていくのを感じ、さすがに自分でゾッとしました!

ベトナムでは身近な寄生虫、ちょっとこわいお話ですが、頭の片隅に、何かお困りのときは相談にいらしてください。