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<医療コラム> こころとからだの関わり

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** こころとからだの関わり *****

リッケンバッカー 和代  看護師

 

普段からだは自立神経・内分泌・免疫系のバランスによって微妙に調節されています。しかしストレスによりこのバランスが崩れたりすると、からだの病気が生じます。逆にからだの病気はこころにも影響します。

仏教用語で『身心一如』という言葉があります。

この言葉は、心と身体の関係というのは切っても切り離されないくらい密接に関係しているという意味です。

つまり、心の元気がないと、身体の元気がなくなり、身体の元気がないと、心も元気がなくなってしまうという考え方です。

皆さんも、体調が悪い時なんとなくネガティブな感じになってしまったことや、心のエネルギーがない時に風邪が引きやすかったなと言った経験がある人も多いのではないでしょうか。

 

ここで、皆さんに体と心の元気のない状態がどういう状態なのかを気付いてもらうためのチェック項目4つをご紹介したいと思います。

★最近食欲が急になくなった

★最近なかなか眠れない日が続く

★最近何もしても楽しくない

★急に悲しくなったり、泣きたくなる

 

もしも、これらの症状があるとしたら、それには十分な休息や、環境を変える等が必要なのかもしれません。

このような心からの声である身体症状を無視し続けると、場合によっては重篤な心の病になってしまったり、体の免疫も低い状態のため、風邪やインフルエンザ、もしかしたらコロナウイルスにもかかりやすくなってしまうかもしれません。

無理のない運動、気軽にできる気分転換を心がけ心と体のバランスを取るように心掛けてみるのも良いかも知れませんね。

 

<医療コラム> 熱中症 しっかり暑さ対策を

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***** 熱中症 しっかり暑さ対策を *****

白 井 拓 史 医師

 

日本でも暑い夏の季節は、テレビや新聞でも熱中症に関する記事や特集を目にする機会も多いですね。日本よりも高温多湿のベトナムでは、日本以上に熱中症に注意が必要です。

戸外だけではなく、屋内で発症することもあり、重症化すると命に関わることもあるので正しい知識を持って予防しましょう。

熱中症は高温・多湿下で発生する病気の総称で、体の中と外の「暑さ」によって引き起こされる体のさまざまな不調です。

人間の体には、もともと体温調節機能が備わっていて、汗をかく際におこる気化熱の作用で体温を下げています。しかし、体温よりも気温が高かったり、湿度が高いと汗をかいても蒸発しにくくなり、気化熱による体温低下が起こらなくなります。熱中症は、このような体温を調整する機能がコントロールを失って、体温が上昇してしまう一種の機能障害です。

では、どのような時に熱中症になりやすいのでしょうか。

もちろん暑い日に起りやすいのですが、それ程気温は高くなくても湿度が高いと汗による熱の発散ができなくなるため起りやすくなります。また、前日よりも急に気温が上がった日も要注意。午前中では10時頃、午後では13時から15時頃に多く発症しますが、暑い季節は、朝や夕方にも起ることがあります。

幼児や高齢者は体力が低く熱中症になりやすいと言えます。また、肥満傾向の人は起こしやく、睡眠不足や下痢による脱水、発熱などがある人もなりやすくなります。

 

 

早期発見・早期治療のためには熱中症の症状を知って、重症なのかどうか判断することが重要です。

軽症では、めまいや立ちくらみといった症状がみられます。足がつったり、足の筋肉や腹筋が痙攣して痛みが生じることもあります。これは、多量の汗をかいたあとに、水分だけを補給した時に起こりやすいです。中等症になると、強い疲労感、虚脱感、頭重感などが表れます。また、失神、吐き気、おう吐などの症状も出現します。

呼びかけに対して反応がおかしかったり、意識がはっきりしない場合は、重症です。直ぐに医療機関に行って治療を始めなければ命に関わることになります。

熱中症が疑われる場合には、早め早めに対応することが大切。日陰や室内など涼しいところに移動して、衣類を緩めて休ませます。脱水に対して水分を補給するのですが、水やお茶だけでは塩分が不足するため塩分を含んだスポーツドリンクなどが望ましいです。塩飴や梅干しなどで塩分を摂るのも良いでしょう。

タオルやうちわ、衣服などを使ってあおぎ、風を送って体を冷やしてやります。氷や冷たい水でぬらしたタオルを首筋や太い血管のある脇の下や足の付け根に当てて体温を下げます。

吐き気、おう吐がある場合は水分補給ができないため、医療機関で点滴を受ける必要があります。反応が鈍い、意識がはっきりしないなどの症状がある時にも、至急病院に連れて行って下さい。

<医療コラム> 今年のインフルエンザ

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***** 今年のインフルエンザ *****

片 山 雅 之 医師

 

ここ数ヶ月、コロナ感染者様と同程度にインフルエンザウイルスに罹患されている患者様がおられます。ここ2年コロナ流行に伴いインフルエンザウイルス患者数が著しく減少しておりましたが、ハノイの医療現場ではコロナ、インフルエンザ両方の鑑別が必要になってくる新しいフェーズに入った印象を受けます。南半球のオーストラリアでは、現在インフルエンザウイルス感染者はここ5年間の平均より上回っている報告があり、今年の冬はハノイでも大流行する可能性が懸念されます。

インフルエンザワクチンも現在、コロナワクチン同様モデルナ社からmRNAワクチンの開発が進んでおります。(第Ⅲ相試験開始)そのため、インフルエンザワクチンに関しても今後有効性や接種回数など変化する可能性がありますが、今年2022年に関しては、既存のワクチンが使用されると思われます。

ワクチンの有効性に関してですが、日本の研究報告では65歳以上では34~55%の発病を阻止し、82%死亡率を阻止する効果や、6歳未満の小児では発症防止の有効率は、41~63%と報告されております。今年は大流行が懸念されておりますのでインフルエンザワクチン接種をご検討ください。

 

小児におけるインフルエンザワクチン接種回数に関してですが、日本では13歳未満は一律2回接種が推奨とされております。一方、WHOは9歳以上は1回接種を推奨しており、0歳と1歳は2回接種、2歳以上は最初の年に2回接種すれば、以後は1回接種を推奨しております。

朝日新聞の記事からWHOとの違いは、当初2010年以前は、副反応の観点から日本の1回量が小児で細分化されていたことが要因ではないかと言われております。しかし、2011年以降、ワクチンの進歩からWHOが推奨する用量(6か月から3歳未満は0.25ml、3歳以上は0.5ml)を使用しております。

その為、接種回数に関しては現場の医師の判断で問題ないという表現が使われております。もちろん2回接種をすることでブースター効果が得られることが利点として挙げられますが、これらを踏まえWHOに準じた接種方法を選択されても問題ないと思われます。

当院はハノイにある日系病院であるため、インフルエンザワクチン2回接種と掲げておりますが、お気軽に医師、看護師にご相談して頂き納得されたワクチン計画を検討頂けたらと思います。