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<医療コラム> 抗菌薬はダメなの?耐性菌って?

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** 抗菌薬はダメなの?耐性菌って? *****

佐 野 夏 帆  医師

 

明けましておめでとうございます。2019年になりましたね。

さて、今回は抗菌薬(抗生物質・抗生剤と言われている薬です)と耐性菌についてお話させて頂きます。

 

抗菌薬や耐性菌、最近はテレビでも特集が組まれたりしていますので、聞いたことがある方や、既に知っている方も多いかと思います。 小児科では特に何年も前から使い方を注意していますので、お母さん方は詳しいかもしれません。

私達におこる頻度が高い感染には、ウイルスが原因のものと、細菌 が原因のものがあります。このうち抗菌薬(抗生物質・抗生剤)と呼ばれるお薬は、後者の細菌をやっつけます。一方、私達のよくかかる一般的な風邪や胃腸炎は、ウイルス性が多いです。ウイルスは自身の免疫力や時間経過で治るものです。抗菌薬を内服しても、治るまでの期間は変わりませんので、飲む必要はありません。

ではウイルス性の感染で、必要のない抗菌薬を飲むと、なにか問題が起こるのでしょうか?

特に飲んでいてもウイルスが活発になり感染が長びく、なんてことはありません。

それならウイルスだろうが細菌だろうが全部抗菌薬を飲めば良い!と、抗菌薬がかなり飲まれていました。その結果問題になっているのが耐性菌です。

耐性菌とは、抗菌薬に耐えれるようになった細菌です。つまり抗菌薬ではやっつけられない菌で、これが最近非常に増えているのです。困ったことに色々な抗菌薬に効かなくなった多剤耐性菌なんてものまで出てきて、非常に治療困難な事も増えています。

さて、では耐性菌はどうして出てくるのでしょう。やはり抗菌薬の不適切な使用が原因になります。風邪(ウイルス感染)だけど、1回だけ抗菌薬を飲んでみた。良くなったから3日でやめた。この少し飲んでみることで、体の中の菌が抗菌薬を覚えていきます。

それなら抗菌薬は飲まないほうが良いの?飲んじゃいけないの? そうではありません。細菌感染がある時には飲まなくては治りませんし、大事な薬です。ただ、どんな感染なのかによって、適切な抗菌薬の種類や、必要な期間が違います。必要なときに適切な薬を、適切な期間飲むことが大事になります。

 

ベトナム含め、東南アジアでは、まだまだ抗菌薬の使い方が注意されていなく、耐性菌がかなり沢山出ています(東南アジアでの耐性菌の多さは、感染症内科では有名な話のようです)。

抗菌薬は大事な薬だからこそ “必要な時に耐性菌ができていて効きませんでした” とならないよう、適切な使用を心がけたいですね。

<医療コラム> 医者は風邪引かない!?

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** 医者は風邪は引かない!? *****

白 井 拓 史 医師

 

クリニックには、毎日たくさんの風邪の方がいらっしゃいます。

診察中に目の前で“ゴホンッ、ゴホンッ”なんて日常茶飯事。1日中、風邪のウイルスや病原菌を浴びているのです。

でも…、だからといってしょっちゅう風邪を引くかというとそんなことはありません。むしろ風邪になり難いくらいです。ベトナムに来てから、風邪で診療を休んだことは一度もありません。

 

どうしてでしょうか??

私は、こんな風にに考えています。

ヒトの体には「免疫」という外界の病原菌や異物から体を守る仕組みが備わっています。病原菌やウイルスが入ってくるとヒトは、戦うための「抗体」という武器を作って体を守ります。

これが免疫(抵抗力)なのです。病気にならないほどの少量の病原菌や弱いウイルスが体に入ってくると、体の中に抗体ができてその病気に罹り難くなります。それで、病気をしなくなるのです。

ちなみに、抗体を作る力を利用して体に免疫力を付けるのが予防接種(ワクチン)です。予防接種は、病原菌やウイルスが入ってきたと体を騙して抗体を作らせて、免疫力を付けているのです。

つまり風邪の方と毎日接することで、ワクチンを打っているのと同じような状態になるため、風邪を引きにくくなるようです。

ただし、体に入ってきたウイルスや病原菌の量がすごく多かったり、病原力が非常に強かったりした場合は、病気になってしまいます。

ですので、医者ももちろん風邪も引きます。

毎日、病気の方と接している割には、しょっちゅう風邪引くわけではないですね  という感じでしょうか。

 

みなさん、うがいや手洗いをして、しっかり風邪やインフルエンザ予防しましょう!