<医療コラム> 低血圧と寝起き
< LOTUS CLINIC 医療コラム >
***** 低血圧と寝起き *****
白 井 由 紀 子 看護師
低血圧とは、最高血圧100~110mmHg以下、最低血圧50~60mmHg以下の状態を指します。
普段、低血圧を理由に「寝起きが悪い」「朝の機嫌が悪い」などという「朝が弱い」話をよく耳にします。ですが「低血圧の人は朝が弱い」という医学的な根拠はないそうです。
血圧をコントロールしているのは腎臓、内分泌臓器、自律神経、そして自律神経に指令を発している脳の4つの器官です。
一方、目覚めのメカニズムには内分泌臓器である副腎髄質から分泌されるアドレナリンとノルアドレナリンが大きく関係しています。これらがバランスよくスムーズに分泌されていれば朝の目覚めも快適なのですが低血圧の人は分泌されるスピードも遅いため、目覚めに時間がかかってしまいます。
この自律神経のバランスが低血圧の人が朝起きるのが苦手な理由の一つです。
血圧は変動しやすいため、一度測っただけでは低血圧とは断定できません。また、低血圧も朝起きられない理由になりえますが、不規則な生活だと当然、朝も起きづらいでしょうし、頭がフラフラしたり疲れやすいなどの症状が出てしまいます。
症状が続くようであれば、生活のリズムや睡眠の質を整えつつ、専門医などの診察を受けたほうが良いでしょう。