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<医療コラム> 食中毒(食あたり)とは?

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***** 食中毒(食あたり)とは? *****

長谷 尚子  医師

 

日本では、食品衛生法第58条に食品、添加物、器具若しくは容器包装に起因して中毒した患者若しくはその疑いのある者を食中毒患者とすると定義しています。要は食べ物、調味料、調理器具、容器、食器類すべてが原因になりえます。

日本では昨年約13000人の食中毒患者が届け出あり4名がなくなています(実際はもっと多いと思いますが、、)。

食中毒は大きく2つにわけられてます。ウイルスや細菌が感染して胃腸内で増殖して症状をひきおこす感染型、下痢主体で発症に半日から数日かかるのが特徴です。食品や容器内で毒素を産生してその毒素により症状を起こす毒素型、発症が早く1-6時間程度で嘔吐腹痛からはじまります。

 

どちらに対しても家庭内でできる予防策ですが、①75度C1分間以上での加熱②調理したものは2時間以内で食べる ②保存する場合は常温でなく冷蔵冷凍庫使用を心がけてください。冷蔵庫保存で細菌の増殖は遅くなる、冷凍庫内では一旦停止するだけで細菌はなくなりません。ましては毒素は冷凍(-20度)でも破壊されません。細菌は常温で爆発的に増殖し数時間で食中毒を起こしうる量になるといわれています。

私事ですが、訪越してから2回毒素型かと思われる原因不明の食中毒を経験しました。嘔気腹痛時には無理して食べず、スポーツドリンク(しみわたるおいしさでした。なければ水と塩)を少量ずつ飲み、可能なら嘔気止め、胃酸抑制剤を内服。空腹感を感じてから少量ずつ軟食(飲むゼリーみたいなものがベター。最近コンビニでも見かけますね!)摂取で自己治療できました。間違ってもコムタンや豚キムチは食べないでくださいね。下痢は急性期は止めないほうがいいというのが一般的ですが、下痢遷延する場合には下痢どめを使います。

食事をしていたら いつかはなる食あたり、できるだけ回避しつつ、なったら早めに治りますように。