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<医療コラム> 自律神経失調症のお話

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** 自律神経失調症のお話 *****

飯 塚 麻 美 看護師

 

自律神経失調症は、明らかな体の病気や精神疾患がないにも関わらず、頭痛やめまい、食欲不振や不眠など、全身に様々な不調が起きる病気です。

 

自律神経失調症の一つに『起立性調節障害』という病気があります。

思春期前後の子供に多く、大人にも時々見られる病気です。

主な症状としては、めまい・動悸・息切れ・立ちくらみ・頭痛・湿疹・午前中の倦怠感などです。

自律神経の調節がうまくいかないことから、血圧の低下が起きてしまい上記の症状が出現してきます。

 

私は小学生の頃からそのような症状を感じていました。

朝礼や全校集会など、長い間立ちっぱなしの時に必ずその症状が襲ってきます。

しかし歩く、走るなど少しでも運動をしているときは立ちっぱなしでも症状は出ません。

貧血のような症状なのに血液検査は何も問題がなかったのでとても不思議に思っていました。

 

それから何年か経ち、私がこの病気の名前と出会ったのは看護師2年目の時でした。

朝のカンファレンス(朝礼)の途中でその症状が出たときに、同僚の医師に検査をしてもらい診断されました。

原因不明の厄介な体調不良の謎が解けた瞬間でした。

そして治療としては、生活習慣を変えて改善していく方法が多いと知りました。

  • 毎日、15分程度の運動習慣をつける。
  • 朝の寝起きや、起立時は突然立たずに30秒ほどかけゆっくり立ち上がる。
  • 夜更かしせず、規則正しい生活を心がける。
  • シャワーだけでなく入浴する。(入浴は短時間)
  • 熱い場所を避ける。
  • 着圧ソックスなどで、下半身への血流貯留を避ける。
  • 食事やおやつで塩分摂取をする。
  • 1日2ℓ以上の水分摂取をする。

 

毎日忘れずに実践していくことはむずかしいのですが、っているだけで日ごろから注意して過ごせるため、多少なりともコントロールできるようになってきます。

ベトナムへ移住してきた際に、環境の変化や心身的な疲労から自律神経が乱れて不眠や食欲不振などの症状が出てくることもあります。

体の不調が続く方は、1人で悩まずに医療機関にご相談くださいね。

<医療コラム> 「お腹が痛い…」 旅行者下痢症

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** 「お腹が痛い…」 旅行者下痢症 *****

高 橋 結 看護師

 

自分で言うのもなんだが、私はお腹が強い。

ベトナムで暮らし始めて早5年。

食中毒の様な下痢になった事がない。

私の腸内細菌は最強だ。と思っていた。

 

なので油断していた。

インド旅行3日目。朝から猛烈な吐き気と下痢。冷や汗がでる。

トイレから出れない。

 

タージマハルを観に行ったが、最優先事項はトイレの場所確認。

もちろん記念に写真も撮ったが、引きつり笑顔。

食事も摂れず、友人が買ってくれた小さいコップ1杯のチャイが身体に染みた。

 

その後も体調は優れないまま。カレーの香りさえも遠ざけたい。

そんな状態でインド旅は終了した。

 

この症状「旅行者下痢症」と呼ばれるらしい。

これはインドに限らず、ベトナムでも起こり得る。現に、当院の外来には旅行者の多くがこの症状で訪れる。

 

旅行者下痢症の原因は、細菌、ウイルス、寄生虫のいずれによって引き起こされる。

最も一般的な原因として、大腸菌やノロウイルス感染症があげられる。これらは、浄水設備が十分に整備されていない地域の水道でよくみられ、したがって発展途上国を訪れた旅行者によくみられる。

症状は、汚染された食物または水を摂取してから12~72時間後、吐き気や嘔吐および下痢が始まる。重症度は様々である。発熱および筋肉痛がみられる場合もある。大半の人は軽症で自然治癒するが、脱水が起こる場合もあるので注意が必要。

予防法は、ボトル入りの飲料水だけを飲む。加熱調理されていない野菜や果物を避ける。氷は使わず、歯磨きにはボトル入りの水を使うことなどです。

治療としては、安全な水分を十分に摂取し、ときには下痢止め薬や抗菌薬を服用し、必要時は点滴をします。

せっかくの楽しい旅行が、旅行者下痢症になることで、楽しさが半減してしまいます。

私は今回の旅で痛感しました。油断大敵です。

皆さんも、自分のお腹を過信せず、予防対策をして旅を楽しみましょう。