<医療コラム> 高血圧と公衆衛生
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***** 高血圧と公衆衛生 *****
片 山 雅 之 医師
Covid-19のワクチン接種に伴い、血圧の事を気にする方が増えたのではないでしょうか。
今回は、高血圧と公衆衛生について少しお伝えできたらと思います。
(figure1 参考文献※)
高血圧は、診察室血圧140/90mmHg以上もしくは、家庭血圧135/85mmHg以上を呈する場合診断されます。高血圧の有病率は30歳から10年ごとに約20%上昇していきます。脳心血管病リスクからも、数十年前に比べさらに積極的な治療介入が推奨されています。
(figure2 参考文献※)
降圧目標としては、個々の持病によって目標値が異なるため今回は省かせてもらいます。
日常生活において推奨されている方法として、①食塩摂取量減少 ②野菜・果物摂取量増加(350g/日)③多量飲酒の減少④歩数約1500歩/日増加などが挙げられます。
塩分摂取量は、1950年代の平均摂取量は25gという報告があり、1990年代では12.3g、2016年の平均摂取量は9.9gまで低下してきており、減塩に対する意識が高まってきてはいますが、 世界保健機関(WTO) の塩分摂取量5g/日以下にはまだ遠いです。
では、ベトナムの場合はどうでしょうか。ベトナムの平均塩分摂取量は9.4gと日本と同等です。確かにベトナム料理は美味しいのですが、血圧を下げるためにはもう少し塩分の事を念頭に置く必要があります。
皆さん頑張ってフォーのスープなどを飲むのを控えてみるのはどうでしょうか。
※ 参考文献:高血圧治療ガイドライン 2019