ロータスクリニックからのお知らせ

<医療コラム> 生活習慣病と健康診断

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** 生活習慣病と健康診断 *****

佐野 夏帆  医師

 

明けましておめでとうございます。2020年になりましたね。

年明けは日本では新年会、ベトナムではテト前で忘年会シーズンになりますね。

 

さて、会が増えて外食の増えるこの季節、気になるが生活習慣病ですね。

生活習慣病は「運動習慣や食生活、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣によって引き起こされる病気」のことで、肥満、高血圧症、高脂血症、高尿酸血症、糖尿病や、これらが合わさったメタボリックシンドロームなどが、この生活習慣病にあたります。

では、これらの病気になるとどんな自覚症状が起こるのでしょうか。基本的に初期の症状はいずれも「無症状」です。進行すると高血圧なら頭痛、高尿酸血症なら痛風発作、糖尿病なら倦怠感や口渇、体重減少などありますが、これら自覚症状が出ていない状態で診断に至ることが多くあります。

症状がないのであれば、なんで治療が必要なのでしょうか。症状が出てから治療をすれば良いのではないかと思いますね。症状が出る前からの早期治療が必要な理由がしっかりとあります。

これらの病気は自覚症状の出ないうちから、ジワジワと血管を傷め、動脈硬化を進めていきます。動脈硬化ってよく聞くけど、いまいちピンときませんね。動脈硬化が起こるとどうなるか、分かりやすく言い換えてみましょう。よくベトナムの道路で見かけると思いますが、事故や工事で車線が減ってしまい、大渋滞になっている、そんなイメージです。血管は血液の通る道路ですが、動脈硬化は血管の内側の壁を硬く・厚くして、血液の流れる道を狭くしてしまいます。そのせいで血液に渋滞がおこり、血液がドロドロと固まりやすくなります。このような状態になると、心筋梗塞や脳梗塞など大きな病気が発症しやすくなります。

逆から言えば、心筋梗塞や脳梗塞など、大きな病気にならないために、早くからの生活習慣病の治療が重要になるのです。

 

生活習慣病の一番の予防・治療は、生活習慣つまり食事や運動などを改善させることになります。分かってはいても、特にベトナム生活の中では、なかなか上手く行かない現実もあるかもしれません。また年齢や代謝の問題も少なからずあります。その場合は内服での治療が必要になってきます。

 

最後に、無症状な生活習慣病の早期発見のために役立つのが、健康診断になります。健康診断は無症状で始まる生活習慣病や悪性疾患などをみるのに、とても有用です。皆さんは定期的に受けていますか?受けて生活習慣病を指摘されたのに、そのままにしていませんか?

定期的な健康診断を受けて頂き、もし何らかの指摘があった場合はそのままにせず、一度ご相談下さいね。