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<医療コラム> 新型コロナウイルスのPCR検査と抗原検査は何が違うの?

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***** 新型コロナウイルスのPCR検査と抗原検査は何が違うの? *****

白 井 拓 史  医師

 

厳しいロックダウンは緩和されつつありますが、様々な場面で新型コロナウイルスのワクチン接種歴や検査を求められることが多いですね。

新型コロナウイルスに関連した検査としては、一般的に「PCR検査」、「抗原検査」、「抗体検査」などがあります。特にPCR検査や抗原検査はよく耳にしますが、その違いは何でしょうか?

まず、PCR検査と抗原検査は、コロナウイルスに「現在感染しているか」を確認する検査で、抗体検査は「過去に感染していたか、ワクチンの効果はどうか」を調べる検査です。

つまり、コロナウイルスに感染していないかどうかと確認するためには、PCR検査か抗原検査が必要になります。

 

では、感染をチェックするPCR検査と抗原検査とでは、どんな違いがあるのでしょうか?

PCR検査はウイルスの「遺伝子」を検出し、抗原検査は「抗原」というタンパク質を検出します。

PCR検査は、鼻や咽頭を拭って採取した検体に含まれるウイルスの遺伝子を検出する検査方法です。感染してから発症する数日前より検出可能とされています。ただし、PCR検査のための医療機器が必要で、結果が出るまでに数時間かかります。

抗原検査は、「クイックテスト」とも呼ばれ、抗原というタンパク質を検出する検査です。簡易な検査キットを使用するため、特別な検査機器を必要とせず、10~15分程度で結果が出ます。そのため、PCR検査に比べて値段も安価となります。みなさんが病院やクリニックでインフルエンザの検査をするときも、通常はこの抗原検査を行っています。

つまりPCR検査と抗原検査を比べると、抗原検査は、PCR検査に比べて短時間で結果が出て特別な検査機器も必要としませんが、検査の精度はPCR検査に劣るということになります。

抗体検査は、ウイルスに感染すると体内で作られる「抗体」というタンパク質を調べます。抗体が体内で作られるまでには、感染してから2~3週間程度かかるため、感染しているかどうかのチェックは出来ません。抗体検査は、過去に感染したか、ワクチンを接種した場合に陽性になります。

各検査の違いを理解して、必要な検査を行うようにしましょう。