<医療コラム> 子どもの誤飲と誤嚥
< LOTUS CLINIC 医療コラム >
***** 子どもの誤飲と誤嚥 *****
リッケンバッカー 和代 看護師
子どもは興味を持ったものは口に入れてしまう性質があります。
大人は目で見て色を認識したり、手で触って感触や温度などを確認しますが、赤ちゃんは大人のような機能が発達していない分、物の形や感触を口内で見分ける能力があります。
生後2-3ヶ月から口に物を入れ始めますが、頻繁に入れるのは生後5-6ヶ月ごろからです。
離乳食が開始するとふとしたことで喉を詰まらせてしまうこともありますので気を付けたいですね。
<のどや気管に詰まったら、どうなるの?…>
のどや気管を完全に塞いだ状態が数分間続くと、死に至ったり、たとえ助かっても脳の機能がダメージを受けて障害が残る可能性があります。
完全に塞がないまでも、異物が体の中に残った状態のままにしておくと、後で重症の肺炎になったり、気管に穴が開いたりする危険性があります。
最も強い症状は、突然息ができなくなります。
次に強い症状は、急に咳き込んだり息が苦しそうになり、弱々しい咳しかできず、泣き声も弱くなります。
それほど強い症状ではありませんが、急に咳き込んだ後、咳が続いたり、息をすると喉や胸からゼーゼーやヒューヒューという音が聞こえたりするようになります。
症状が一旦良くなることがありますが、それでも異物が残っていることがあります。
異物が残っていると、数日から数週間して咳やぜーぜーがひどくなったり、熱が出てくることがあります。
のどや気管に何かが入った可能性がある場合には、受診した際にはそのことを必ず医師に伝えてください。
<どんなものが詰まるのでしょうか…>
0~3歳では、主にピーナッツや節分の豆などのナッツや豆類などの食物です。
その他、あめ玉(グミ、キャンディー)、果物や野菜(りんご、ぶどう、ミニトマ ト、たくあん)、お菓子(団子、こんにゃくゼリー、カップゼリー)、肉片、ソーセージなど。
赤ちゃん用のおやつベビーボーロなども口に入るサイズのものは何でも事故の原因になります。
4歳以降では、歯の詰め物や小さいおもちゃ(例:ビー玉、スーパーボール、プラモデルの部品、ボタン電池)などの食物以外が多くなります。
<気をつけること>
のどや気管に詰まるサイズの目安として、トイレットペーパーの芯を通過する大きさのものは異物の原因となり得ます。
子どもがのどに詰まる可能性があるものを口に入れていたら、泣かさずに、自分で吐き出させるか、そっと口から取り出しましょう。
食べ物やおもちゃなどを口に入れたままで、横になる・おむつを替える、歩く・走る・ 飛び跳ねる、ふざけて大笑いする・くすぐるなどは危険な行為です。
テレビを見ながら、お喋りしながら食事やおやつとなると注意力がそれ、よく噛んで食べないなんてことも気を付けたいですね。
対象月齢以上だからと過信せず、大人がみている前で食べさせましょう。
すぐに吐き出させた場合は少し様子を診ましょう。
ポイントとしては呼吸の状態、唇の色、咳、ゼーゼーなどの胸の音などに注意して少しでも様子が違うようであれば早めに受診しましょう!