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<医療コラム> 今年のインフルエンザ

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** 今年のインフルエンザ *****

片 山 雅 之 医師

 

ここ数ヶ月、コロナ感染者様と同程度にインフルエンザウイルスに罹患されている患者様がおられます。ここ2年コロナ流行に伴いインフルエンザウイルス患者数が著しく減少しておりましたが、ハノイの医療現場ではコロナ、インフルエンザ両方の鑑別が必要になってくる新しいフェーズに入った印象を受けます。南半球のオーストラリアでは、現在インフルエンザウイルス感染者はここ5年間の平均より上回っている報告があり、今年の冬はハノイでも大流行する可能性が懸念されます。

インフルエンザワクチンも現在、コロナワクチン同様モデルナ社からmRNAワクチンの開発が進んでおります。(第Ⅲ相試験開始)そのため、インフルエンザワクチンに関しても今後有効性や接種回数など変化する可能性がありますが、今年2022年に関しては、既存のワクチンが使用されると思われます。

ワクチンの有効性に関してですが、日本の研究報告では65歳以上では34~55%の発病を阻止し、82%死亡率を阻止する効果や、6歳未満の小児では発症防止の有効率は、41~63%と報告されております。今年は大流行が懸念されておりますのでインフルエンザワクチン接種をご検討ください。

 

小児におけるインフルエンザワクチン接種回数に関してですが、日本では13歳未満は一律2回接種が推奨とされております。一方、WHOは9歳以上は1回接種を推奨しており、0歳と1歳は2回接種、2歳以上は最初の年に2回接種すれば、以後は1回接種を推奨しております。

朝日新聞の記事からWHOとの違いは、当初2010年以前は、副反応の観点から日本の1回量が小児で細分化されていたことが要因ではないかと言われております。しかし、2011年以降、ワクチンの進歩からWHOが推奨する用量(6か月から3歳未満は0.25ml、3歳以上は0.5ml)を使用しております。

その為、接種回数に関しては現場の医師の判断で問題ないという表現が使われております。もちろん2回接種をすることでブースター効果が得られることが利点として挙げられますが、これらを踏まえWHOに準じた接種方法を選択されても問題ないと思われます。

当院はハノイにある日系病院であるため、インフルエンザワクチン2回接種と掲げておりますが、お気軽に医師、看護師にご相談して頂き納得されたワクチン計画を検討頂けたらと思います。