<医療コラム> おねしょのお話
< LOTUS CLINIC 医療コラム >
***** おねしょのお話 *****
白井 拓史 医師
みなさんも子どもの頃におねしょの経験がありますよね!? もちろん、私もあります。
おねしょは、子どもなら誰もが通る道です。しかし、あまりにも頻繁だったり、周りの子どもたちよりもおねしょから卒業が遅れていると心配になってしまうこともあると思います。
なぜ、子どもはおねしょをしてしまうのでしょうか?
おねしょの原因は、主に2つあります。
1つめは、夜のおしっこの量が多い(減らない)ため
2つめは、膀胱がまだ小さく、おしっこを十分貯められないため
夜になるとおしっこの量を減らそうとする「抗利尿ホルモン」というホルモンが脳から分泌されるのですが、2~5歳頃まではまだこの抗利尿ホルモンの分泌リズムがちゃんと整っていません。そのため、夜のおしっこの量が少なくならず、おねしょをしてしまうのです。
また、膀胱は2~3歳ごろから大きくなり始め、だんだんと夜のおしっこを貯めることができるぐらいの大きさに成長していきます。膀胱がおしっこを貯められる量が少ないうちは、夜間に作られるおしっこの量が少なくてもおねしょをしてしまうのです。
ですから、おねしょは通常、成長とともに自然にしなくなるもので、怒っても治ることはありません。
おねしょを治すための工夫
○ 夕方から寝るまでは、接種する水分量を少なめにしましょう。しかし、一日を通して少なくする必要はありません。
○ 生活習慣を整えて、睡眠時間をしっかり確保しましょう。寝不足や浅い眠りは、おねしょを悪化させる原因にもなり得ます。
○ おねしょは体の機能の問題ですから、おねしょをしても怒ってはいけません。おねしょのことは、本人が一番気にしています。
○ 夜中、おしっこをさせるために子どもを起こさないようにしましょう。抗利尿ホルモンは、眠っている間に脳から分泌されますので、ホルモンをちゃんと分泌させるために、深い眠りが必要なのです。
私は日本の小児科クリニックで研修をしましたが、その小児科クリニックにも、親御さんからおねしょの相談がたくさん来ていました。
おねしょはいつか終わるものです。家庭でできる工夫をして、穏やかな気持ちで付き合っていきましょう。