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<医療コラム> 胃カメラのお話し

< LOTUS CLINIC 医療コラム >

***** 胃カメラのお話し *****

長谷 尚子  医師

 

こんにちは。胃カメラの歴史をご存じでしょうか?今回は胃カメラの簡単な歴史と自らが体験して得た飲み方のコツをご紹介いたします。

胃カメラは約120年前にドイツで初めて施行されましたが、硬性鏡といわれるカメラで長く固い管を口から入れるので非常に危険で実用化はできませんでした。

約70年前の1950年、東大分院の医師がO社とともに胃カメラの試作品を開発、1964年アメリカでファイバースコープ付胃カメラが登場し現在の胃カメラの形となりました。私が医者になった頃の胃カメラの太さは親指くらいでしたが現在は小指くらいの太さになっています。現在医療用カメラは内視鏡手術、処置を含め幅広く用いられています。

 

経口胃カメラは(日本では飲むといいますが)、のどの麻酔をして希望される方には点滴をしながら静脈麻酔で一時的に寝ていただいて行います。

のどの麻酔がゼリー状なのでなかなか5分間口の中で貯めるのが難しいということで、日本の内視鏡技師学会報告でアイスキューブやアイスシャーベット、飴を作って徐々に解ける方法を試行錯誤する施設が増えてきました。当クリニックもそれにならい、まずは院長と自らで麻酔の効き目を確認し、現在アイスキューブ法で咽頭麻酔(のど麻酔)を行っています。徐々に解けるので飲み込みやすいことと舌の奥の方に置きやすいメリットがあります。

さて、いよいよ胃カメラを飲みましょう。まずは左をして完全に横向き、足は軽く曲げておなかを緩ませます。顎は上げない方がいいです。まっすぐ前を見る角度ですね。

マウスピースを噛んだら余計に緊張するかもしれませんが、ここでため息をついて緊張しないように、肩顎首の力を一緒に抜きます。食道入り口になると胃カメラがゴンとあたる異物感を感じます!がここで丸呑みするようにのどを動かしていただくとスムーズにカメラが通ります。

カメラの検査中はのどの異物感がありますがしょうがないと思ってください。異物が当たっていますから。ここでいかにリラックスをするかですが、私の体験上で恐縮ですが、眉間のしわを作らない、お経のように『力を入れない』と頭のなかで繰り返して唱えます。咳をしたいときは咳払いをしていただくとのどや声帯にひかっかている唾液が動くのですこしマシです。あとはひたすら意識して脱力、終わるのを待つのみです。日本では経鼻カメラがはやっています。おえっとなる咽頭反射は少ないですが、日本以外ではあまり流行っていないようですよ。